絶食時、子供は大人よりケトン体が上がる
7日間の絶食状態から無事生還した少年のエネルギーはケトン体だった。
福田一典先生のブログより。
492)ケトン体治療(その2):脂肪酸と血液脳関門
「これは、新生児や乳幼児や小児は成人に比べて、体に対する脳の重量比が大きく、エネルギー消費率も高いので、絶食によってグルコースが減少すると脳のダメージを受けやすいので、ケトン体を合成する能力が高くなっているためと思われます。
妊婦もケトン体産生量が高いことが知られています。
妊婦は胎児が存在する分のグルコース消費が高いので、ケトン体の産生も高める必要があるからです。
絶食で体内に増えるケトン体が有毒であるのであれば、狩猟採取で食糧を得ていた氷河時代の人類が生き延びることはできなかったはずです。
ケトン体はエネルギー消費量が大きくなった脳を飢餓時に守るために作られるようになったのです。
神経組織はグルコースよりケトン体を好んで使います。
医者の中にも「ケトン体が知能を低下させる」と考えている人はまだいますが、これは間違いであり、無知としか言いようがありません。」
図:絶食後のβヒドロキシ酪酸の血中濃度(mM)。
新生児や乳幼児や小児は数時間でケトン体の濃度は顕著に上昇する。
体全体に対して脳が消費するエネルギー比率が高いほどケトン体は産生されやすい。(出典:Annu. Rev. Nutr. 2006, 26: 1-22)