こんな記事が医師向けジャーナルの「メディカルトリビューン」の編集こぼれ話に載っていました。
惜しかったですね、大スクープ記事を逃したのです。
今、
医学、栄養学は、
確実に大転換を起こそうとしていることにまだ気が付かないようです。
それでは、「ケトン体」についていけません。
こぼれ話だから転載許してください。
編集こぼれ話 | 2016.08.09 – Medical Toribune
3〜4年前のことだったと思います。ある産婦人科医から編集部に連絡がありました。日本産科婦人科学会で発表する自分の研究を取材してみないか、というご主旨でした。その産婦人科医は、糖尿病や妊娠糖尿病の妊婦に対してケトン食を指導している方で、その臨床成績を同学会で何題かの一般演題に分けて発表するというのです。ケトン食はこれらの妊婦および胎児に対して有効かつ安全であり、そもそも胎児は高ケトン体血症であるというような内容であったと記憶しています。
当時は、糖質制限食の是非を巡る議論が今以上に過熱していた時期でした。否定派の論拠の1つが「極端な糖質制限はケトアシドーシスを惹起する可能性がある」。推進派の旗手の1人である山田悟氏ですら、ケトン体産生レベルの極端な糖質制限食は安全面から避けるべきとの認識でした。私もケトン食がてんかんなど一部の疾患の食事療法として実践されていることは知っていましたが、総じて言えば”異端” の印象を持っており、取材は行いませんでした。
その後のケトン体の躍進に私はついていけません。山田氏は昨年のDoctor’s Eyeで糖質制限食におけるケトン体の見直しを宣言し、極端な糖質制限食の安全面での問題は「部分的にクリア」になったと指摘。取材のご案内をいただいた産婦人科医はご自身の考えを書籍にまとめ、話題になっています。そして今回、とんでもないところからも―。山田氏の直近のDoctor’s Eyeによると、SGLT2阻害薬の臓器保護効果の機序はケトン体によるかもしれないというのです。
取材のご案内をいただいた学会には、せめて足を運ぶべきでした。一般演題こそが取材者の目利きが生きる場だということを肝に銘じております。異論・反論にも耳を傾けながら、ケトン体に関する情報に何とかついていきたいと考えております。