エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない
「科学的」かつ「医学的」な正しさが求められる
「糖質制限で増えるケトン体は人体に危険」という認識は、現在の研究ではその認識はほぼ否定され、逆に「ケトン体の値が高いと心臓・腎臓・脳に対する保護作用がある」と示唆するエビデンスレベルの高い研究が発表されています。
さらに、「糖質制限で認知症のリスクが高まる」というエビデンスはありませんが、逆に白米を多く食べる人(高糖質食)に認知症が多いという有名な「久山町研究」の報告があります。
また、糖質制限によってインスリンの分泌が減るとアルツハイマー病を起こす可能性があるという主張もエビデンスはありません。また逆に、「インスリン過剰が、認知症の一つであるアルツハイマー病の大きなリスクとなる」と結論づける有力なエビデンスが複数あります。
1999年に医学雑誌『神経学』の「ロッテルダム研究」によれば、高齢者糖尿病におけるアルツハイマー病の危険度は、糖尿病でない高齢者に比べて1.9倍であり、インスリン使用中の糖尿病患者では危険度は実に4.3倍と増加します。
糖質制限でインスリンを減らせれば、アルツハイマー病の危険度を減らせるわけです。
【東洋経済オンライン】https://toyokeizai.net/articles/-/215987