沖縄のぬちすぐい医療講演会でお話ししてきました。
ケトン体の話を聞くのを初めての方も多くいらっしゃり、250人の皆さんに真剣に聴いていただきました。
〜2018年沖縄ぬちぐすい医療講演会報告〜
50年で50倍、何と1000万人にまで糖尿病が増えている現状の中、これまでは脂肪の多い食事が糖尿病を引き起こすと言われていた。
そんな中、食の欧米化が日本人の健康に関与している事が分かり、『和食は長寿の原因ではない』ということが科学的にわかってしまった。
そして、今年8月に山田悟医師たちが出した論文『日本人糖尿病患者の食事アプローチ:系統的レビュー』には、日本糖尿病学会が唯一の食事療法として推奨しているカロリー制限に科学的根拠がないことが示唆されており、カロリー制限には科学的根拠がなく、炭水化物を制限した食生活が糖尿病管理に短期的な効果をもたらすかもしれないことを示唆している。
米には糖質以外主な栄養がない。
日清戦争中は【米六合】で兵士が集められたが、
戦争で死んだのは、実は戦死よりも脚気で死ぬ人の方が多かった。
お米を主食にし始めたのはここ100年くらいのことであり、お米だけ食べたら命を落とすことがあったということも念頭に置いておいた方がいい。
お米は喉元過ぎれば砂糖と同じで、
お茶漬けと砂糖水の1時間の血糖値は同じになる。
糖尿病学会のトップクラスは
食事を変えようとはせず、食事はそのままにしてインスリンを使おうとしている。
その背景には医師がインスリンを処方すると
一人当たりインスリン管理料として1日1万円出るという現状がある。
そのためインスリンを使うことを推進する医師が多い。
薬会社の謝礼ランキングを見ると、日本一の上位4人は全てインスリンを処方している糖尿病専門医であることから裏事情が垣間見える。
空腹時と1時間後、2時間後の血糖値を測定し
基準値からどこか1つ超えると妊娠糖尿病と診断されてしまう。
厚生労働省は妊娠中の食事指導で
1日8杯のご飯を勧めている 。
食事で糖質60パーセントを維持してカロリーを減らし、補食で糖質(おせんべいなど)を取ると言う指導法。
このような毎食135gの糖負荷状態では、妊娠糖尿病が起こるのも、治らないのも仕方ない指導状況。
宗田マタニティクリニックの妊婦の食事指導は
主食は減らすか食べない。
そしておかずを二倍にする。
糖質制限で注意することは、『カロリー制限』と一緒にせず、タンパク質と脂質をしっかり取ることが大切。
妊娠糖尿病になってしまった人が糖質制限食を実践することは長期的には糖尿病への移行を防ぐことになる。
胎児の絨毛を測ったら、ケトン体値は50倍だった。これは胎児が脂肪をエネルギー源としてることの表れ。
生命にとって鉄イオンはTCA回路や電子伝達系の重要な物質で、鉄が不足すると解糖系に頼ることになってしまう。
鉄の補充は、出産で鉄を失う妊婦だけでなく、有経女性は特に意識して取らなければいけない。
また出産後6ヶ月で乳児も母体から貰っていた鉄のほとんどを失うことになる。
→病院が指導する離乳食のお粥では乳児に必要な
鉄を補えない。これが今の離乳食の現状。
離乳食にたんぱく質は必須。
ケトン体の効果は糖尿病、がん、歯周病、認知症などで効果を奏しているが、認知症治療で有名なコウノメソッドの河野先生もケトジェニックを勧めており、『中枢神経系疾患(認知症・発達障害・変性疾患)にはケトン食がなによりも重要である』と論じている。
糖尿病患者への処方には尿を糖に出すSGLT2阻害薬カナグルがあるが、欧米では糖尿患者の中でカナグル服用者は心臓血管死が激減し、腎機能が改善している。
日本ではまだこの薬は普及していないのが現状。
『放射能はがんを発生させる、しかしがんを育てない』(新井 圭輔先生)の言葉にもあるように、ミトコンドリアがないがん細胞はケトン体を使えない。(通常細胞はケトン体もブドウ糖も使える)
つまり、徹底した糖質制限ケトン食が、がん細胞の増殖を抑えるのである。
健康な身体を維持するためには栄養が大切。
しかし、ほとんどの医師は栄養を考えないで
投薬による対処療法しかしない。
(頭痛なら頭痛薬、風邪なら風邪薬、糖尿ならインスリン…)
これからは糖質制限とケトン体を利用することが医療の基本になるだろう。