かなり、誤解されているようですが、低T3症候群は、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
糖質制限で、起こることではなく、カロリー制限を混同して行った場合におこります。
『 T3が低値で、T4、TSHとも正常な病態は「Low T3 syndrome」と呼ばれます。
これは、代謝を低下させてエネルギー消費を抑えるための生体反応と考えられています。
甲状腺が悪いのではないので、TSHは上昇していません。
ですから「甲状腺機能低下」という言葉は適切ではなく、疲労感が出るほど悪
い状態の糖尿病では、上述のようにエネルギー消費を抑えるために「T3を低く
抑えている状態」と言えると思います。』
『 たとえば、スーパー糖質制限食を実践して、ヘロヘロになったり、筋力が落ちたり、髪の毛が抜けたりといった症状を訴える方々が、たまにおられます。
これは糖質制限食のせいではなく、同時に、カロリー制限をして、脂質も制限して、結果として摂取エネルギーが低過ぎたために生じる症状です。
この時、血液検査をしてT3が低いと、甲状腺機能低下症と誤診する可能性があります。
しかしこれは「Low T3 syndrome(低T3症候群)」であり、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
摂取エネルギーを標準まで増やせば、症状も改善してT3も改善します。』