【妊娠糖尿病とは、どんな病気なのか】
妊娠中にのみ糖尿病を発症する「妊娠糖尿病」。
今の日本では、毎年100万人の赤ちゃんが生まれるわけですが、「妊娠糖尿病」が発見される方が12%もいるのです。
12万人ですから毎月1万人ということになります。
では、この「妊娠糖尿病」とはいったいどんな病気なのか。
実は「妊娠糖尿病」は、まったく症状がなく、検査で糖を飲んで初めてわかる糖尿病なのです。
「妊娠糖尿病」を判定する検査と基準は以下の通りです。
前夜から空腹で、受診して、75g のブドウ糖水を飲みます。
その時、飲む前と、60分後、120分後と3回血液検査して、1項目でも次の基準値を超えたら「妊娠糖尿病」になってしまいます。
飲む前: ≧92mg/dL
60分後: ≧180mg/dL
120分後: ≧153mg/dL
この時1つだけオーバーしたら1ポイント陽性、2つですと2ポイント陽性、 3つですと3ポイント陽性ですといわれまして、多いほどよくないことになります。
120分値が200を超えると「ハイリスク妊娠糖尿病」といい、さらに重症です。
この時にインスリンを測ってみますとほとんどの方は大量に出ています。
ですからいわゆるⅡ型糖尿病とは違うのです。
インスリンが出ているのに血糖値が上がってしまうって不思議でしょう。
普通の糖尿病はインスリンが枯渇したり、分泌が悪いために血糖を下げられないのです。
「妊娠糖尿病」と宣告された妊婦さんは、妊娠の継続中に毎月いろいろな指導を受けたり場合によってはインスリンの注射をしなければなりません。
「宗田マタニティクリニック」では1Pを銅、2Pを銀、3Pを金と称し、メダリストとして、特別に時間を取って、私が「妊娠糖尿病について」と「宗田マタニティクリニックにおける独自の治療法」について、ご説明をさせていただいています。
お話しする内容は「お説教」ではありません。
「希望」です。
宗田マタニティクリニックでは「“妊娠糖尿病”は悲しいことではなく、むしろ将来の糖尿病を防げる希望の病気」と捉えているからです。
ですので、「妊娠糖尿病」と診断され、落ち込んでおられる妊婦さんに、
「今までつらかったでしょう。妊娠糖尿病が見つかってよかったね。大丈夫ですよ。安心してください」
とお声をかけさせていただく機会にしています。
次回はこの管理と治療についてお話ししましょう。
拙著『ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか』には、「妊娠糖尿病」「糖尿病」で苦しんでいらっしゃる方に役立つ情報や体験談をたくさん掲載しております。
まだ、お読みでない方はぜひ、ご一読いただければ幸いです。